INTERVIEW
Vol. 02

せが四郎が聞くッ! キーマンインタビュー

セガを知り尽くした男が描く、
「これからのセガ」とは。

株式会社セガ
取締役CCO
名越 稔洋

せが四郎〜♪ せが四郎〜♪
セ・ガ・知ろう〜♪
でおなじみ、セガを愛しすぎている青年
「せが四郎」が、
「これからのセガ」を知るべく、
セガグループの重鎮たちに
突撃インタビュー。
第二弾は、株式会社セガの名越CCOに色々聞いてみました。

取締役CCO 名越 稔洋

株式会社セガの取締役CCO。『デイトナUSA』『スパイクアウト』など数々のヒット作品を手掛ける。2005年に大ヒットとなる『龍が如く』をプロデュースして以降、同シリーズの総合監督を務める。家庭用ゲームから業務用アーケードゲームまで、セガの研究開発部門を統括する、今ゲーム業界で最も注目されるクリエイターのひとり。

セガ60周年アンバサダー せが四郎

セガ60周年に華々しくデビューした、せがた三四郎の実の息子。 父からセガの英才教育を受けたことで、セガを愛しすぎている。 口癖は「セガだよ!」。最近は「セガい共通テスト」に向けて勉強中。

この60年で、
変わったもの。
変わらないもの。

こんにちは!せが四郎です!!
60周年を迎えたセガのこと、いろいろ聞きに来ました!
こんにちは。
株式会社セガで制作総指揮をとっている、CCOの名越です。今日はよろしく。
(す、すごい…この迫力ッ!)
よろしくお願いします!!さっそく、質問させてもらってもいいでしょうか??
なんでもどうぞ。
名越さんといえばセガの体感ゲーム全盛期から開発の全てを見てこられたと思いますが、
入社してから数十年、一言で言うとどんな時代でしたか!?
う〜ん。ゲームという言葉とともに、会社自体がどうなっていくべきかを永遠に模索し続けた。そんな時代でしたね。インベーダーゲームから始まりファミコンの時代がきて、ゲームと称されるもがどんどん増えていく中で、時には自分たちが新たなものを開拓し、時には誰かが開拓したものに乗っかって、という。
なるほど。
その歴史の中で、セガはどのように変わってきたのでしょうか??
変わった、という実感はあまりないかな。もちろん、一つ一つ掘り返せば時代とともに変わっているんですが、「ゲームというものをどういう形で提案するべきか」ということを考え続けている点で一緒というか。そういうピュアさは今も変わらないです。ピュアさ故に行き過ぎたこともありましたけど…(笑)
(あ・・・、アレとかコレとかですね。)
まぁ、結果的にユーザーに受け入れられなかったものもあるんだけど、一つ言えるのは、我々自身は「きっとそれが時代やユーザーが求めるものだ」と信じていたこと。自分たちが「これが未来だ!」と信じたら、その選択を普通にやる。それでいいんだと。そういうピュアさは経営層が変わってもずっとありますね。たぶん10年後も変わっていないんじゃないかな。
ピュアさ…。
うん。逆にそういうDNAがなくなってしまったら、セガブランドである必要がないですよね。
そういう空気感?DNA?は名越さんが入社した時期から既にあったものなんですか?
そうですね。
セガが大切にしている言葉に「創造は生命」という言葉があるんですが、その存在が大きいんじゃないかな。すごくカッコつければ、「ゼロからイチを生もうよ、それこそ人に自慢できる仕事だよね。」という哲学。それが、そういう空気を作っちゃってる、というか。
「創造は生命」…!やはりキーワード!!タオル持ってます!!
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ははは(笑)

これまでのセガの
挑戦の歴史

そんなセガが、60年間でゲーム / アミューズメント業界に残したいちばんの功績はなんだと思いますか??
う〜ん。” 挑戦の歴史 ” そのものじゃないかな。
挑戦の歴史…!?
セガはゲームというものが多岐に渡っていく中で、色々と事業を広げてきたんですね。中には家庭用ハードゲーム機のように撤退した事業もあるんだけど、ハード事業自体は今やっていないかと言うと、業務用ではやっていたり。むしろ捨てたものの方が少ないんですよ。スマホゲームや、玩具、映像事業など、新しい事業をどんどん始めていて、ひょっとしたらもっと増えるかもしれない。
ハッ…!父が言ってた、「総合的なエンタテインメントコンテンツ事業」ってやつですね。
そうです。
「ここ、何かチャンスがあるのでは?」「セガが貢献できる隙がここにあるかも?」というように、貪欲に力を発揮できる場を探してきたんですね。新しい事業の会議なんかでは、「それ、本気で言ってんのか?」とびっくりするようなアイデアがいまだに出たりしますよ(笑)
めちゃくちゃ気になる…。挑戦の数が、そのまま事業の幅になってるってことですね。
そうですね。
新しい提案があった時、経営側がそれを抑えないっていうのがミソで。じゃあやってみよう、やってみなさい、という結論になる。○×△で、△ならやろうよ、と素直に言える、度胸のある会社でしたね、ずっと。失敗を問われる恐怖感以上に、成功して喜ばれる憧れが勝っちゃうところがあって、それは僕も同じです。
なるほど。
ちなみに今「失敗」という言葉が出ましたが、名越さんにも「うわ〜、やっちまった!」って失敗ってあったんですか?
そりゃありますよ(笑)
「デイトナUSA」のときも「龍が如く」のときも、「これどうやっても無理なのでは?」という瞬間は多々ある。でも、乗り越え方は絶対あるし、実際に乗り越えた経験をしているやつと、そうじゃないやつの差はすごくでかいですよ。これまで作ってきたもののなかで、ヒットしたか、しなかったかで言うと失敗の方が少なかったかもしれないが、失敗から学んだことの方が圧倒的に多いです。
深い。
今は、成功を求める、というより失敗したくない、という人が増えたような気がしてちょっと寂しいんですよ。そのモチベーションの先に、ゲームがヒットして得られる、あの掴み取ったような感動はないと思うから。成功=得る、失敗=得られない、とみんな思ってしまうけど、そんなことはないんですよね。
最悪失敗しても、得るものはめちゃくちゃある。
そこは若い世代に伝えていかないとなと思います。
ジーーーン。めちゃくちゃいい話…。

「とにかく、新しいものを。」
創業以来貫く姿勢

あ、あと気になったんですけど、セガってよく「10年早すぎる」って言われますよね?
あれっていつ頃から言われ出したんですか?
いつ頃だろう…?
ただ、ずっと「先取りする」ということに対して、異常なこだわりがある会社だったのは確かです。
へ〜!作っている側が「先取りしよう」とした結果なんですね。
今でも覚えているのがかつての社長の話なんだけど、商品企画を持っていくと、「これは何が面白いの?」「この主人公は何なの?」「値段いくらなの?」という話はどうでもよくて、「何が新しいんだ?」と絶対に言われるんですよ。新しさがないものを新商品と呼んで世の中に出していいはずがない、ということはめちゃくちゃ言われましたね。
徹底してますね。
そうですね。
セガはとにかく新しいものを作るべきだと。その新しさも、冷静に考えれば今の世の中の環境やユーザー心理においてちょうどいいものの少し先ぐらいがいいはずなんだけど、当時は今を通り越して先に行けば行くほど美しいと言われていましたからね(笑)新しさのインフレーションですね。
新さのインフレーション!パンチラインいただきました!!
もう少し時間を待った方がこの技術、値段的にもこなれてきて手に取ってもらいやすくなるだろうな、と普通に考えられるんですけど、やっぱり、誰かが先に出すことの方が許せないっていう会社なので。
結果、コストが合わなかったね、広がらなかったね、ということもありますが、世の中からすれば、「セガって新しいことが好きだよね」「新しいことをやる会社だね」という印象になっていたりする。そして、その期待値がまたブランドバリューとして売れ行きにつながることもある。
だから、失敗したりやらかしたなって言われるものも、決して無駄にはなっていないと思います。
なるほど。ちなみに今のセガはどうでしょう?
当時のクレイジーさに比べると、少し大人になったような気がします。
ただ個人的な意見としては、全てをお行儀よくまとめる必要はないと思っていますね。たまに突拍子もない企画があり、驚きがあり、「ビジネスとしてそれはどうなの?」となったときに、
「やっちゃえよ」って後押しすることをもう少しやっていきたいなと思います。もちろん、バランスがあっての上でのことですけどね。
おお…!
先日里見CEOにインタビューしたとき、これからは「やんちゃな会社」を目指す、と言っていたのを思い出しました!!まさしく“GO SEGA”ですね。
今は世の中の驚く声をSNSを通じてあっという間に感じられますし。そこでそういう声を浴びるというのを久しぶりに体験したいし、若い人たちにも体験してほしいですね。

「ファンとの繋がり」を
もっと大切に

ちなみに今、何か考えている「新しい」ことってありますか?
答えられる範囲で、教えてください…!!
そうだな…。具体的にタイトルがどうの、という話ではないですが…
(ゴクリ…。)
「遊んでいる人たち同士のコミュニティーの醸成」をちゃんとやっていきたいですね。
コミュニティーノジョウセイ…?
はい。
セガのファンには今も昔も熱狂的な人が多くいてくれるんだけど、そのつながりをさらに深めて、フィーバーさせるような動きは、意外とできていないんですよ。例えば、あるタイトルが大好きで、次も買うぜ!と言ってくれている人たちに、新作、つまりゲームコンテンツを提供する以外で何かできないかということ。
そんなことできるんですか??
例えば、僕は会社でオフィシャル番組もやらせてもらっているんですが…
「セガなま」ですね!
そうそう。
ああいう、双方向のファンコミュニティーをもっと充実させていきたいですね。皆さんにもっとセガを知ってもらい、そこから生まれる要求に応えられるものを作っていく。そこに商品設計のヒントがあると思うし、365日何かの番組をやっているような会社になっていきたいですね。
おお…それは楽しそうです!
しかも、それをタレントやYouTuberの力を借りず、自分たちでやりたくて。
ゲーム会社の社長は本当にゲームが上手いのかやってみた、みたいな番組とか、
セガの開き方はちょっとほかとは違うな、というようなものをやっていきたいですね。
見たいです!
ゲーム会社の社長がゲームをやらないのはけしからん話ですからね。
開発の中にカメラを持ち込んで生でやるぐらいの勢い。そういう、ファンと腹を割って対話していく、つながっていくということがこれから大事だと思っているので。そして実は、これは実行のフェーズに入っています。
めちゃくちゃ楽しみにしています!!!

これから
セガが作るべきもの

この流れでお聞きしたいのですが、これからのコンテンツ作りについてはどうですか?
今年は5Gの開始のほか、世界的な生活の変化がありましたが…
まず5Gで言うと、あれはただの技術なので。
そこを突き詰めて行っても、スピードが早くなる、快適になる、みたいな話で終わってしまいますよね。
大事なのは、技術に何を掛け合わせるか。快適さを面白さに変換する、その何かを探したいですね。家にいなければいけない、という閉塞感が、家の中の遊び方をもう一段深くしていくはずなので、そこに知恵を使っていく、掘り下げていく、というのが大事かと。
なるほど。
あとやっていくべきは、畑を耕すこと、ですかね。
畑を!?農家に転身ですか!?!?
いやいや、そうじゃなくて(笑)
例えば、今ゲームをしていない人が、ゲームをしている状態を作るっていうことです。最近だと「どうぶつの森」。オンラインゲームで難しいと言われた、低年齢層と女性層をガンガン耕しましたね。「龍が如く」もある種そうで、大人はゲームをしない、と言われた時代に、ゲームはやらないけど龍が如くはやる、という大人たちが当時は確かにいました。そういう、セガだからここ耕せたよね、っていうコンテンツづくりをしていくべきだと思いますね。
ホォ〜〜。
確かに、プリクラを開発して、ゲームセンターに女子高生を呼び寄せたりしたのもセガですしね!

重要なのは
「作り手の情熱」

プリクラで言うと、面白い話があって。
え!聞きたいです!
実は最近新しいプリクラも発表したんですけど、
ここ何年かは他社がマーケットシェアを握っていて、なかなか厳しい状態だったんですよ。
それは黙っていられないですね!もともとはセガが作ったものだし!
そう。まさに社内でもそういう話になって(笑)
「プリクラといえばセガだったよね、黙ってていいんだっけ?」「このまま許しておくのはやっぱりおかしくないか?」と言い出すから、じゃあセガがどのくらい遅れているのか、まず調べよう、という話になったんですよ。
前向きですね。
正直言うと、その時点ではとんでもなく遅れていたんですよね。
うわぁ〜。それは悔しい…。
これはペンディングになるだろうな、と僕は思ったんですよ。でもいつの間にか、「よし、これだけ遅れているのがわかった!」「じゃあ、このぐらいの時間があれば取り返せるな!」という話にすり替わっていて、気付いたら開発が始まってました。
前向きだ!笑
「本気なの?」って僕は思ってたんですけど、その原点は「歯痒い!悔しい!」という思いなんですよね。「プリクラといえばセガだよねと言われたい!」という。
冷静な判断かというと明らかに違うんだけど、まぁ、最後に勝てばいいと思っています。「歯痒い」も「悔しい」も情熱だから。
なんだか…グッときた。

セガは人間らしい会社

さっきの話にも通じるんだけど、そういう会社なんですよ、セガは。人間らしい会社なんです。
「悔しい!」だけでビジネスを始めちゃいけない、とほとんどの経営者は言うだろうけど、「その悔しさを形にするなら、絶対やってみろよな!」と言って任せてくれるのがセガ。人間らしい判断基準も大事にしているのは、昔から感じますね。
まさにそこが、セガの強みというか、これからの可能性を感じます!!
だと思います。
感情と技術の掛け合わせで戦っている、というようなところはあるので。
感情 × 技術!!
技術のセガ、と言われたこともあったけど、決してスマートなものじゃなくて。「いったれ!」「どんなもんだ」と見せつけるような、エネルギーに満ちた技術。そういうのが大事で、カッコいいといわれる会社ですよね。いまだに。
感情 × 技術!!!!
「R360」なんかも、当時で1500万円するようなもので絶対売れない。危険だし、いいことあまりないけど、回してみた。しかも売ってみた。根底にあるのは、「他の誰かにやられたくない。絶対俺たちが、最初に360度回す。」という思いです。意地っ張りですね。
あぁ…俺たちのセガ…。
最後に、名越さんが考えるこれからのセガを一言で言うと、どんな会社でしょうか?
「やらかす会社」ですかね。失敗を示唆しているような気もしますが(笑)
でも、失敗の中から何かを探して成長する会社であり、失敗を恐れない会社である、という願いを込めて。やっぱりファンの皆さんが期待している「なにこれ??」ってびっくりするようなものは、いわゆるマーケティングから簡単に生み出せるものじゃないですよ。だから、感情、情熱も大事にしていく。この一本で世の中を変える、という気持ちで、これからもやっていきます。
存分に「やらかして」ください!!期待しています!!本日はどうも、ありがとうございました!!

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